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2015年3月20日 (金)

第51回京都映画サミット「帝都物語」大会

第51回京都映画サミット「帝都物語」大会
無事終了いたしました

とりあえず最初は実写の二作
「帝都物語」

昔はテレビでよくやってたのに最近やらんね
実相寺昭雄監督なのでやっぱりどことなくウルトラマン感のある演出と音楽
手作りのSFXを含めまぁうまいこと作ってある

予算も10億円と日本映画では多め
でもたぶん明治の街並み造りにほとんど使っている気がする

話は原作1~4巻までなんやけど
さすがに消化し切れずだいぶ端折ってある感が…
けっこう重要ポイントもぬけてたりする
135分もあるのだからもうちょっと語れたのではないかと思うが
まぁ仕方ないか…

個人的に一番気になったのは辰宮兄=石田純一がミスキャストではないかということ
あの役は気持ち悪い妹萌えで、近親相姦したり、妹を殺したりの汚れ役なのに
汚れ感が全くない
ラストに唐突に兄妹で抱き合って正門塚に飲まれていく描写も
原作とかけ離れ、なんだかなーって感じがした…

それから恵子=原田美枝子がちょっと歳行き過ぎかと…
もうちょっと若い人がよかったです…(゚ー゚;

まぁでも、万人ウケ部分の雰囲気は出てるし、それなりに面白いですよ

そういや
クライマックスに登場する加藤の使い魔・護法童子はH・R・ギーガーのデザインらしい
この人も色々やってるなー(゚▽゚*)
 
 
 
「帝都大戦」

話は原作11巻戦争編の一冊分だけなんやけど
それをさらに端折って
陰陽師などのややこしい部分を外し
かなり別物の超能力ウォーズになっている

僕はコレはこれで好きなんやけど
(ちゅーか実相寺版よりこっちの方が好き)
原作好きな人にはかなり評判悪い
(ちゅーか原作ほんまに好きやったら実相寺版も色々あかんと思うんやけどね…)

アクション監督香港から呼んで加藤にワイヤーアクションさせて跳ばしまくるし
スクリーミングマッドジョージにSFX担当させて
加藤が負けるときデローンて裏返ったりとなかなかのおもしろグロ描写も満載
という感じで完全に娯楽に徹しきった方向性
ま、中途半端に原作を追って消化不良気味になるより潔いと思います

個人的には
野沢尚子が「アメリカさんは病院なんか撃ちませんよ」とか言って窓から手を振ってたら
機銃掃射をあびて撃ち殺されるシーンがなぜか心に残っています
 
 
 
「帝都物語OVA版」

りんたろう監修のもと当時の新鋭監督4人それぞれに一話づつ監督させた4話構成のアニメ
僕の持ってるのはVHS版で
40分×全四巻で160分かと思ったらDVD版のデータを見ると170分あるみたい
42分づつぐらいあったのかな…

基本、実相寺版と同じ原作1~4巻を下敷きにしているが
時間も35分多いだけあって
実相寺版より丁寧に原作に沿って描いてあるので僕はこのバージョンが一番好きかも
辰宮兄妹の近親相姦的な関係や妹のキチガイさもきちんと描いてあるし…

ただ、個人的にはキャラデザが今となってはビミョーな気がした
当時のガイナックス風というかオネアミス風というか
なんか古臭さが…
いいものは古くならないということを考えると
キャラデザはちょっと残念なデキなのかも…

また、このVHSには一巻終わるごとに10分ほどのドキュメンタリーがついており
これが意外に面白い
基本、帝都物語関連の寺社仏閣や史跡を廻るのだが
風水の考え方なども軽く解説し
帝都物語を深く味わう上ではけっこう重要なポイントをしっかり語ってくれる
ちなみに巫女衣装で出てるナビゲーター鶴田真由は九字を切る以外は全くしゃべらない…謎の演出(^_^;)
これはDVD版には入ってなさそうやなー

僕はコレで学天則の開発者 西村真琴博士は
実相寺版で西村真琴博士を演じていた俳優西村晃氏の本当の父だということを知った
このにくい配役はDVD特典とかで解説してもいいぐらいやと思う
 
 
 
漫画版「帝都物語」
藤原カムイ版

実相寺版やOVA版と同じく原作1~4巻を元にしているが
オリジナル要素もあり
絵柄も含め全体の雰囲気は同じものの
作品としてはまた違ったものになっているのが興味深い
欄外や巻末に解説があったりとがんばってはいるが
やはり180ページちょっとなので、やや端折り感がある…

でも普通に面白いですよ(^^♪
 
 
 
高橋葉介版

いちおー藤原カムイ版の続編だがタイトルを同じにしたので混乱が起こっていて
コレだけを読んで意味がわからないという人がたくさんいるもよう
そりゃそうだ…(^_^;)

原作5と11巻を元にしているが
夢幻紳士が登場したり、小説では語られなかった加藤と恵子の満州での生活などが描かれており
かなりオリジナル要素が強く、それはそれでなかなか興味深く読める

絵柄もまぁ高橋葉介自体もともと好き嫌いの別れる絵なので帝都物語感ぶち壊しとか言って嫌な人もけっこういるみたい
辰宮洋一郎がデブでキモイおっさんになっているのが全ての作品の中、最も原作に忠実だと思うが
辰宮由佳理が化け物化してるのはちょっとやり過ぎ感も…(;´д`)

ところで
観阿弥光凰が呪い殺す相手は
映画「帝都大戦」ではヒットラーだったが
高橋葉介版ではルーズベルト大統領になっている
原作はどっちなのだろう11と12は持っていないので確認できない

ルーズベルトの方が話の流れとしては自然だが…
 
 
 
他には「帝都物語外伝 機関(からくり)童子」が映像化されているが

未見である
何やらほとんど別物になっているらしい
 
 
 
残りの帝都物語原作6~10巻の戦後編は今のところ映像化されていない
三島由紀夫が軍隊率いて加藤と戦ったり
割腹自殺した後復活したり
とか
角川春樹が登場して活躍するという
そこらへんの内容がまずいのかもしれない…(;´▽`A``

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京都映画サミット」カテゴリの記事

コメント

「帝都物語」

>実相寺昭雄監督なのでやっぱりどことなく
ウルトラマン感のある演出と音楽

ウルトラマンの怪獣出現!とか
街自体に「未知の謎」≒怪獣の存在が"在る"
っていう空気感が一緒で「帝都物語」にマッチ
していいたと思います。
加藤保憲という帝都の破壊を目論んでいる怪人が確かに存在していて
式神や呪術という世界というのは確かに存在していて
寺田寅彦や幸田露伴
という実際に帝都をこよなく愛していた実在の人々が
魔人に立ち向かう
という「枠」はきっちり抑えた傑作でしたね。



>個人的に一番気になったのは
辰宮兄=石田純一がミスキャストではないかということ
 
まあ誰でも思うすよね。(^^)
キャラクターが最後まで全然構築されていない。
辰宮兄自身の印象深いシーンが全くない。
多分、原作なんて何も知らなくて現場きて台詞しゃべって
って感じなんでしょうね。

荒俣宏は辰宮兄のキャスティングには
山本 學 (「白い巨塔」での田宮二郎の相手役が有名)
の名を上げていたけどそうするとグッと
格調高くなって文学調になったでしょうね。
でも全体の調子も全く違うものになる。
実相寺昭雄版帝都物語だったら
岸田森が良かったかもですね。
実相寺とのコンビ作もあるし。
近親相姦もきちんと描けるし。
1982年に亡くなっているけど
存命だったら重要な役で出演していたかも。
スタイル的にも曼陀羅(1971)を始めとする怪演からして
加藤保憲も充分に演れますね。
嶋田久作を岸田森に替えても余り違和感がなく
実相寺昭雄版帝都物語は破綻しない。
(^^)
 
  
「帝都大戦」
 
原作の11巻は満州が舞台で共通点は戦争末期であることと
呪術でルーズベルト大統領を殺す設定が残っている
くらいすかね。
予告編の
電柱の上の加藤保憲がやたらとかっちょよくて
ものすげーーーーーーーーー期待してほぼ公開日に
観たら観客は俺一人だったという思い出の作品(^^)


>僕はコレはこれで好きなんやけど
(ちゅーか実相寺版よりこっちの方が好き)
原作好きな人にはかなり評判悪い
 

自分は小説は12巻まで文庫化当時にくまなく
隅々まで読んで楽しんだけど
実写映画もそれぞれ大好きですねー
サミット参加したかったなー(^^)
  
そーいえば、高校時代に
コマ撮りで人が指ではじかれて遠くに
吹き飛ばされるシーンとか
8mmで撮って遊んでいましたね。
上記二作品に影響受けてますね。

投稿: kuroneko | 2015年3月21日 (土) 午後 10時54分

>辰宮兄自身の印象深いシーンが全くない 

石田純一だけのせいでもない気がします
明らかキチガイじみた妹萌えや近親相姦はオミットしておこうという流れが感じられますので
監督がそのようにしたのだと思います
 
実相寺版はなぜか荒俣弘のダークサイドを切り落としてますね
正統派勧善懲悪ウルトラマン路線であり
加藤の魅力が伝わりにくい
ダークヒーローじゃなくただの悪役に…
それゆえ
恵子が加藤と旅立つのも「なんでー?」となってしまう
 
そういう意味では
もっと美少年な感じかな加藤は
そうそう
沢田研二なんてどうでしょう
魔界転生の天草四郎みたいに

>荒俣宏は辰宮兄のキャスティングには山本 學

あの人は粘着質な感じうまいんでいいですね
岸田森もいけますね

>嶋田久作を岸田森

それもありですね
血を吸うシリーズみたいになりそうですけど…(^_^;)

>呪術でルーズベルト大統領を殺す設定

やはりルーズベルトが正解でしたか
「帝都大戦」では何故かヒトラーになってました…
アメリカ様に気を使ったんですかね…(^_^;)

>公開日に観たら観客は俺一人だった

それはヒドイ…
けっこう面白いのになー

>コマ撮りで人が指ではじかれて遠くに吹き飛ばされるシーンとか

それ、あえてコマ撮りで撮る必要ありますっけ…?(^_^;)

投稿: 万物創造房店主 | 2015年3月23日 (月) 午前 12時09分

>実相寺版はなぜか荒俣弘のダークサイドを
切り落としてますね
 

実相寺昭雄は
「お正月から暗い映画を観ても仕方がない」
と明言しているので意図的ですね。
私も実写版で一番嵌ったのは絢爛豪華な感じの
映像美と音楽でした。小説のダークな面も好きだったから
変に設定として残すよりバッサリ捨てて正解だったと思います。
ダークサイドって言えば、『帝都物語』自体そのもが裏の歴史への
ガイドブックそのものですし。
 
因みに銀座のオープンセットは2億くらいかかってるって
どっかに書いてありましたな。
 
 
>恵子が加藤と旅立つのも「なんでー?」となってしまう
 
これはそうすね。
でも、原作知らない人は最初のシーンから最後のシーン
まで全部残らず
「なんでー?」
だからいいんじゃないすかねー(^^;)
よくあれでヒットしたよな当時。
因みに恵子が加藤の女になったのは恵子が催した
"花会"で恵子が引き当てた札にまつわる話ですが
小説では丁寧に書かれているけども映画の中では、
自分の敵が加藤保憲だと知り、相手にも自分の
存在を知られるというシーンに単純変換されてましたね。
 

>沢田研二なんてどうでしょう
 
自分は最初から
加藤保憲=島田久作
で刷り込まれているから
いいかもしれないですね。
 
 
>血を吸うシリーズみたいになりそうですけど…(^_^;)
 
そういえばそうですね。
世代交代が起こって、結果的によかったのか。
 
 
>アメリカ様に気を使ったんですかね…(^_^;)
 
あー映画版はヒトラーでしたか。忘れてた。。
っつーか戦後のパックスアメリカーナの日本では
原作通りの設定では観客も意味がわからないですね。
ルーズベルト暗殺計画
では。ちゃんとした史実を教育されていないから。
あれ、もしかしたら「帝都大戦」っつー前作の100倍以上
原作無視&無視の無茶無茶ぶりも"闇の力"がかかったのかもですね。
だって、11巻のラストは暗殺が成功して戦局大逆転で終わりますものね。
やばいクライマックスがどう映画化されるのかワクワクして
当時眠れないくらい楽しみにしていたんですけどねー(^^;)
  
 
>それ、あえてコマ撮りで撮る必要ありますっけ…?(^_^;)
 
"編集"っつもーのを一切知らなかったというのが実情ですが
(^^;)

投稿: kuroneko | 2015年3月24日 (火) 午後 10時56分

>「お正月から暗い映画を観ても仕方がない」
なるほどー
僕はダーク好きなんで
そのあたりがだいぶマイナスポイントなんですねー
西村晃の配役はすばらしいーですけど

>因みに銀座のオープンセットは2億くらい
やっぱけっこうかかってますね

>よくあれでヒットしたよな当時
超能力とか陰陽師が流行ってたんですかね…
孔雀王もあの頃かな?

>原作無視&無視の無茶無茶ぶりも"闇の力"が
香港勢がからんでますから
あんまり日本万歳にできなかったのかもしれませんね

>11巻のラストは暗殺が成功して戦局大逆転
ゆーても
トルーマン出て来て
指導者殺したところでいくらでも代わりが出てくるだけ
なんですけどね

>"編集"っつもーのを一切知らなかったというのが実情ですが
(^^;)
まぁ今みたいにパソコンで簡単に継ぎ接ぎできないですもんね
当時は…

投稿: 万物創造房店主 | 2015年3月26日 (木) 午後 10時31分

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