第50回京都映画サミット「池田敏春監督映画」大会
無事終了いたしました
今回最初に観たのは
初監督作品
「スケバンマフィア 肉刑 リンチ」(1980年)
プロットは東映の女番長シリーズで使い古された感じだし
ヒロインに池玲子や杉本美樹ほどの魅力もないのだが
センスあるカメラワークや演出で
血しぶき
頭炎上
バイクリンチ
見せ場も色々あり
ちゃんとおもしろい
池田敏春のおかげで飽きることなく観られるようになってる感じ
すでに監督一作目でその片鱗を見せているなぁー(*゚▽゚)ノ
すごいねー
映画の検閲や修正にムカついて日活をやめたあと
自由に映画を作るために9人の監督たちが立ち上げたディレクターズ・カンパニーの第一作として製作
「人魚伝説」(1984年)
なんちゅーか
日本産リベンジムービーのいや
世界のリベンジムービーの最高峰です
しかも海女モノ
最強です
冒頭の水中カメラでとらえた素潜り風景から美しい
音楽もいい
夫が殺されヒロインも傷を負うシーン
ヒロインが真実を知りヤクザを血まみれになりながら刺殺するシーン
ヒロインがす巻きにされ崖から投げ落とされ助かるシーン
夫を弔うシーン
銛を加工し削るシーン
禊のシーン
あらゆる美しい印象的な場面の積み重ねが
ラストの大殺戮へと導いていくのですが
そこらに全く不自然さを感じさせないのがすごいですね
明らかにターゲットとなる人物以外も殺しまくるのですが
それに違和感が全くない
それくらい見てる側にヒロインへの共感とカタルシスをきちんと与えてるのです
これはリベンジムービーで最も重要な要素です
殺すという行為に共感できなければ
ただの殺人です
復讐ではないし、殺したときのカタルシスもない
そしてラストカチコミの
荒神が乗り移ったような鬼気迫るヒロインの演技とそれをとららえた長回し撮影で
臨場感や気迫が異常なほど倍増しています
映像に神のようなものが降りています
ゆえにラストに暴風雨が突然来ても、なんだか納得してしまいます
神だな…
色々な意味で神映画だと思いました…(lll゚Д゚)
「死霊の罠」(1988年)
ジャケに「日本発!本格スプラッター」とあるが
ガイラ監督の処女のはらわた(1986)や美女のはらわた(1986)やギニーピッグシリーズ(1985~1988)があるので
初かどうかはビミョーだけど
殺人鬼モノとしてはどれよりもよく出来ていると思う
前半は明らか
映像・音楽はダリオアルジェント風でスプラッターはルチオフルチ風
という…(=゚ω゚=;)
日本産でありながらかなりイタリアンな雰囲気を出せてしまっているところが
ある意味すごいし
スプラッター描写もそんなに数が多くないもののなかなかがんばっている
特に冒頭の眼球ザクリはサンゲリアと同レベルの名シーン
しかし
それだけで終わったら
よくできてるけどまぁイタリアのマネやねぇー、で終わっちゃうところ
僕も途中まではそう思ってた…
ところがなんと!
後半かなり毛色が変わってすごいことに!
ドギャーン!ボーッ!
いやーすばらしい
石井隆の脚本スゲー
そっかーヒロインがナミなのも石井隆だからっすねー
超おもしろかったです
m9(^Д^)プギャー
「女囚さそり 殺人予告」
てっきり岡本夏生がさそりなのかと思ったら
全く違ったのでびっくらこいた
ちゃんと梶芽衣子のさそりシリーズの続編になってて
20年後設定
刑務所の地下牢に閉じ込められてるさそりの暗殺を頼まれるのが殺し屋岡本夏生って話
なんかうまいね
キャストもさそりに出てた人がちゃんと起用されている念の入りよう
変なおばさんがさそりですって出て来て
いくら梶芽衣子が20年立って劣化しても
こんなおばちゃんにはならねぇーよっ!(*`ε´*)ノ
と思ったら
きっちりニセモノってプロットにもやられた…
ラストに地下牢に追い詰められたヒロインが
壁に塗り込められ即身仏化したさそりから
スプーンを削って作ったナイフを受け取り
それで大殺戮していくくだりは
「人魚伝説」を思い出したが
やはり岡本夏生にあれほどの気迫はなく
岡本夏生でなければもうワンランク映画がアップしたのではないかと思うと残念
そういや看守役でダンプ松本が出ているが
なかなか恋する女のいい味を出している
プロレスラーだけあって殴る蹴るの演技もうまい
ま、低予算・岡本夏生主演のVシネでこれだけのものを作ってしまう池田敏春
おそるべし…
そんな感じで
池田敏春大会しゅーりょー
まだまだ大量に池田敏春映画残っているので
いつか第二回を…
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