第35回京都映画サミット「純粋少女映画」大会
第35回京都映画サミット
「純粋少女映画」大会
無事終了いたしましたー
「エコール」
うーむ
雰囲気映画ですな…゜.+:。(*'v`*)゜.+:。
ストーリーはわけわからないまま終わりますし…
とりあえず
きれいな映像と音楽とロリのコラボで
謎の森にある謎の学校、謎の行事、謎、謎、謎を積み重ねていって
雰囲気を盛り上げ
最後に答えがあるのかと思いきや
あとは適当に考えてくださいって感じに投げっぱなしにする映画
全てが意味ありげで
よく考えれば考えるほど、よくわからなくなっていくような
深いのか深くないのかよくわからない感じです
哲学的な考証をすればいくらでもできてしまいそうな…
そもそも原作も何のための学校なのか説明がないらしいので
原作を忠実に映像化した感じではあると思います
まーこれはこれでアリかと思いますが
面白いかっと聞かれればビミョーなところです
しかしながら
これを児童ポルノとか言う人は逆に逮捕して精神病院に入院させた方がいいですな
少女たちをそういう目線で見てるっちゅーことですからアブナイです
「少女五人天国行」
五人の少女が大人になって嫁に行きたくなくて一緒に自殺する話
原作は中国の葉蔚林が1985年に執筆した短編小説『五個女子和一根縄子』
似たような設定にソフィアコッポラの「ヴァージンスーサイズ」がありますが
この映画が1991年で「ヴァージンスーサイズ」の原作『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』は1993年なんで
ヘビトンボ~がパクッた…いや、オマージュをささげたものと思われます
「ヴァージンスーサイズ」はオシャレな雰囲気映画で
自殺理由も、もやっとしたままでしたが
こっちは「そりゃー死にたくもなるなー」って共感できるぐらい
中国ど田舎の封建的村社会における男尊女卑の描写が強烈です
雲南の田舎の美しい情景と過酷な日常の対比もいい感じだし
少女五人が自殺というキワモノ的な部分を除いても
映画的にもすごく見応えのある映画でした
少女五人がどれも可愛過ぎですけど、まーそこは映画なんでー
ラストは五人同時の花嫁行列で終わるんですが
結局、生きてて同時に花嫁に行ったのか
嫁に行く前に死んだのでこういう形で葬式を出しているのか
夢の中のできごとなのか
よくわからない終わり方でしたが
どういう意図だったんでしょうねー(◎'∀`)気になります
いい終わり方だと思いますけどね
「アリス」
この映画はすでに何回も観てまして
けっこう僕の持ってるDVDの中でも再生回数が多い方です
ルイスキャロル「不思議の国のアリス」の実写映画化で
チェコのコマ撮り人形師、ヤンシュヴァンクマイエルの代表作のひとつ
話はわりと原作通りで
映画の枠内に収めるためちょっと端折った感じになってまして
ゆえに出てこないキャラもあります
ちなみに登場人物は
アリスだけが人間がやっていて
あとのキャラはコマ撮りで動いている感じ
他のアリス映画がわりと歳いったアリスを使いがちなのに対して
ちゃんと金髪ロリでカワイイこを使っているのがいいし
なんと言ってもシュヴァンクマイエルの造形がすばらしい
キャラもセットもめちゃいい感じ
個人的には最も原作の不条理な雰囲気を出せている映画化だと思う
これに比べたらディズニーの「アリス」なんかゴミ
「不思議の国のアリス」の話が好きな人は一度は観てほしい映画ですね
「パンズラビリンス」
この映画も観るの三回目ぐらいになります
それくらい面白い
近年のファンタジーものの中では突出してよいです
ぱっと見、ジャケとかは普通のファンタジーっぽく
子供と一緒に見ようかなとか思っちゃいますが
モンスター造型がリアルに恐過ぎなうえ
人はバンバン殺されるわ拷問されるわ、妖精はぐちょって食い殺されるわ
残酷描写も満載です
子供に見せちゃうとトラウマになりかねないので気をつけて下さい
たぶん大人向けのファンタジーです
ストーリーは
スペインの内戦時の政府とゲリラの戦いが続く過酷な現実と
ヒロインが地下王国の王女に戻るために試練をクリアしていくファンタジーが
交差して交互に展開していくのですが
その展開具合がヒジョーによくできていて
なかなか最後まで飽きさせません
しかもラストの
「全て主人公の女の子の想像なのか」「本当に存在するのか」のギリギリのラインで微妙に「本当に存在する」方へ針が振れている
その絶妙具合が絶望の中に救いのある味わい深い終わり方がよい
そして、さすがに撮影賞・美術賞・メイクアップ賞をもらっているだけあって、映像美がすばらしいです
モンスターデザインも独創的でトラウマモノにすばらしいし
ダークな雰囲気が好きな人にはたまらない感じですね
「乙女の祈り」
こいつも観るの三回目ぐらい
1954年にニュージーランドで実際に起こった事件をピーター・ジャクソン監督が映像化した作品
たぶん全体の流れは実際事件に忠実な感じだと思う
ただ単に映像化しただけなら話題にはならなかったと思うが
少女二人のだんだん病んで壊れていく内的世界までも映像化してて
それに成功しているのがすばらしい
「ブレインデッド」とか「バッドテイスト」を撮っていたピータージャクソンに
こんなに少女の繊細な内面を描くセンスがあったんだってことにほんまビックリやけど
衝撃的ラスト(わかってるんですけどそれでもやっぱり衝撃かも)も含め、よい映画です
「小さな悪の華」
こちらも上記の「乙女の祈り」と同じ事件に着想を得た映画だが
少女二人が殺人を犯すこと以外あまり共通点はない
監督さんは幼少期を映画中の少女たちのように厳しい全寮制のミッションスクールで過ごしたらしく
その恨みつらみパワーが端々に繁栄された結果なのでしょう
すごく味のある映画になっています
当時、本国フランスほか各国で上映禁止とされ、日米のみで公開されたらしいのですが
たぶんアンチキリスト教な部分が抵触したのではないかと思います
日本は宗教に寛容なので…
音楽や映像もよく
興味本位に悪魔崇拝に傾いていき動物を殺し、ついには人間も殺してしまう
少女たちの邪悪な雰囲気もいいし
淀川長治氏がほめた少女がおっさんを誘惑するシーンのエロさもいい
そしてトラウマになるという噂の驚愕ラストも
とても狂ってていい感じです
ラストのトラウマ具合がいいので
この映画、けっこう訪問してきた人に観せてますから
僕自身もかなりの回数観てますねー
以上
「純粋少女映画」大会でしたー
「エコール」に勝手に理由付けしちゃった「ミネハハ」や
「ヴァージンスーサイズ」
「ピクニックatハンギングロック」
「小さな唇」
なんかは
また今度ですねー
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