NHK『日本人はなぜ戦争へと向かったのか』
録画しておいた
NHKのドキュメンタリー
『日本人はなぜ戦争へと向かったのか』
をやっと見ることができた
全4回で
第1回 "外交敗戦"孤立への道
またたくまに世界から孤立した日本。国内議論を優先して世界の潮流を見落とし、一貫性なき対外交渉で信用を落とすなど、「外交敗戦」が国家を戦争への道に導く過程を検証する。第2回 巨大組織"陸軍" 暴走のメカニズム
巨大官僚組織「日本陸軍」が暴走した理由を新しい角度で徹底検証。派閥優先の論理と縮小を拒む膨張体質など、「内向きの行動」が超エリート集団を戦争へと追い込んでいった。第3回 "熱狂”はこうして作られた
日本が戦争へと突き進む中で、新聞やラジオはどのような役割を果たしたのか。新聞記者やメディア対策にあたった軍幹部が戦後、開戦に至る時代を振り返った大量の肉声テープが残されていた。そこには、世界大恐慌で部数を減らした新聞が満州事変で拡販競争に転じた実態、次第に紙面を軍の主張に沿うように合わせていく社内の空気、紙面やラジオに影響されてナショナリズムに熱狂していく庶民、そして庶民の支持を得ようと自らの言動を縛られていく政府・軍の幹部たちの様子が赤裸々に語られていた。第4回 開戦・リーダーたちの迷走
今回見つかった当事者たちの戦後の証言テープからは、驚くべきリーダーたちの実態が明らかになった。日本の国策決定の場は、全ての組織の代表者が対等な権限を持つ集団指導体制で、全会一致が建前。常に、曖昧で、玉虫色の決定が繰り返された。各組織のリーダーたちは、戦争に勝ち目がないことを知りつつも、戦争できないと言うことが自らの組織に不利益を与えると考え、言い出すことができない。海軍、企画院、陸軍、首相、それぞれが互いに責任を押しつけ合い、重大案件は先送りとなっていく。しかし、日米交渉が暗礁に乗り上げ、妥結の見通しがみえない中、首脳部は、国力判断、すなわち国家の生産力・戦争遂行能力のデータを総動員して、譲歩か、戦争かの合議を行う。結論は、各組織の自壊を招く「戦争回避」より、3年間の時間を稼ぐことのできる「開戦」の方に運命を賭ける。
という感じの内容
4つの別の切り口がなかなか面白かった
今回見てやはり一番感じたのは
「戦中と今、日本はたいして何も変わっていない」ということである
たぶん
このドキュメンタリーを作った人も
リーダーシップのない現政権・政治家にいらだち
縦割り行政で国益より組織の利益をとる現官僚たちに怒りを感じ
そういうことが感じ取れる作りにわざとしているのだと思う
そして
ひとつはっきりしていることがある
当時、日本は良くも悪くも世界で最も民主主義的な国家であったということである
ドイツのヒットラーだけでなく、当時はどこの国も強力なリーダーが出現し
多かれ少なかれ独裁的な政治を行っていたし
それで成功していた
ところが
日本はリーダーが全く不在で
大本営会議の民主的な話し合いで全て決めていた
立憲君主制であり、天皇陛下に決定権はなく、会議で決まったことを追認して天皇陛下の命令として発布していた
しかしそのせいで
会議を行えど行えど何も決まらず
何もかも先送り先送りにしていた
外交や情報戦もそれぞれがバラバラに行っており
一元化されていないので効率が悪かったし
外国に逆に利用されやすかった
マスコミも売上や自己保身が一番大事で
権力や世論に日和った報道しかしない
政治家は世論を気にしながら発言し、日和った行動しかしない
実に今と同じである
日本史では戦争時の日本人を今の日本人と違う
頭が狂っていた人たちように教えがちであるが
全くそうではない
現在と全く同じなのである
日本は
外交と情報戦に負けたから戦争をせざるをえなくなったのであり
そしてそれは現状にも当てはまることである
戦争を回避するためには
日本は外交と情報戦をもっと強化しなくてはいけないが
今の日本は当時以上に全くできていないとしか思えない
このままではいつか戦争に巻き込まれることになるだろう
ついでに言うと
当時、日本は世界で一番国際法を遵守していた
アメリカが民間人を空襲でいくら殺そうと(国際法違反)
アメリカやオーストラリアが沈んだ日本の軍艦から逃げる兵隊を救助せずに機銃掃射しようと(国際法違反)
中国が民間人のふりをする兵隊を使ってゲリラ戦を仕掛けてこようと(国際法違反)
あらゆる国が自分たちで決めたルールを守らず
やりたい邦題殺戮していたときに
サムライの精神でひたすら国際法を守っていたのである
しかし
当時最も民主主義的で、最も国際法を遵守していた国は
敗戦と共に戦勝国に好きなように汚名を着せられることになる
勝者が敗者を魔女裁判にかけ、歴史を都合のいいように書きかえる
現在、日本は世界で一番悪かった国として歴史に記録されつつある
ここらへんでしっかり
やったことはやった
やっていないことはやっていない
やられたことはやられた
とハッキリさせておかなくてはならない
NHKは昔に比べてかなり中立的客観的な番組を作るようになった
これからもNHKの良質なドキュメンタリーに期待したく思います
みんな見ましょうね!(゚-゚)/
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