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2008年7月 5日 (土)

心中天網島

Sinjyuten
この前
京都造形芸術大学 京都芸術劇場 毛利臣男芸術監督プログラム2008
ATG Film Exhibition No.3

ってイベントがあって
その上映3作品の中のひとつ
心中天網島」を見に行った

何で急に思い出したかのようにこのことを書くのかというと
まさに今日思い出したからである
それというのも
こんなまぬけな心中事件があったからで
包丁で嫁を何度も刺したにもかかわらず殺せず
自分も死ぬことができず警察に御用
なんとも生ぬるい心中事件・・・(ーー;)

心中天網島でも最後の心中で
男が女を刺して先に殺すシーンがある
これが映画ではキレイにまとめられててわりとあっさり死んだが
原作では男が女を刀で何回突いても殺せなくて
血まみれになりながら女が「痛い、痛い、早く殺してー」と言うのだ

なんかこのシーンを思い出した・・・

ところでこの映画
僕は若かりし日の岩下志麻(めちゃキレイでカワイイ・・・)かつ18禁
にひかれて見に行ったのだが
中身もそこそこ面白かった
たぶん篠田正浩監督の最高傑作
(その他が駄作ばかりだからという話もあるが・・・)

舞台美術的なセット
黒子が画面に登場して活躍する演出
主演の岩下志麻のひとり二役
情け無い男好演の中村吉右衛門(現:鬼平)
このあたりがとてもいい

しかしほんとうに監督がこのあたりを意識してやったかは微妙で
金がないから
簡易で芸術的なセットにしたとか
嫁の岩下志麻のダブル主役でいったとか
当時、演劇で黒子を出すのが流行ってるから出してみたとか
狙ったというよりは
偶然の結果、いいものになった感じがした
(まぁ映画とはそんなもんな気もするが・・・)

しかし
演出としてぬるい!と思ったのは
やはり最後の心中シーン
これまで舞台風で黒子も出てきて現実とはけっこう乖離した雰囲気なのだが
ここで急に野外ロケになり
しかも刺したとき血がドピュっとでたりして
急にリアル指向になる
でもまぁ
そこで夢が醒めたようにリアルに突っ走ることができていたら
すばらしいと思ったのだが
とりあえずそのリアルさが中途半端

原作の意図からしても心中はグロテスクであるのが正しいし
だからリアル指向でグロさを出す演出は決して間違っていない

現に男が首を吊るシーンはなかなかいい

しかし監督は特に女の死に関してグロさを出すことができておらず
キレイにまとめちゃってる感がある
何回も刺されても死ねず「痛いー痛いー」なんてシーンはなくめちゃキレイに死んでる
それならリアルに血など噴出させずキレイに演劇的にまとめりゃいいのに
なんか中途半端なのである
まぁ黒澤明の影響で時代劇でも血をリアルに噴出させるのが流行ってた時期だから仕方ないのかもしれないけど・・・

また最後は二人の死体が並べられたシーンで終わるのだが
これがまたキレイにまとめ過ぎ

江戸時代は心中がかなり厳しく取り締まられていて
死体は河原に骨になるまでさらされ
着物は脱がして盗み放題
肉は野良犬に食われ放題
だったらしいが
その雰囲気まったくナッシング

このシーンこそ
さらに心中のグロさを出せるシーンなのにもったいない
たぶんこのシーンで
着物を奪われ全裸で河原に晒され続け
犬に内臓食われる中村吉右衛門と岩下志麻で締めくくれば
かなり世界最高レベルの傑作になったこと間違いなし!

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